いいおんがくのきろく

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McCartney IIIについて書いてみます

昨年12月に発売となった、ポールマッカートニーの新作、McCartney III。

コロナ禍のロックダウン中にポールが以前から書き溜めていたが形にしていなかった曲たちに改めて手を加えしてできたアルバム。

このマッカートニーシリーズは、作詞作曲はもちろん、演奏やプロデュースまでほとんどポール自身で全てやるというものです。

 


McCartney Iはビートルズ解散直前の1970年、McCartney IIはウイングス解散後の1980年に発表されています。

どちらもシンプルで、素朴で内省的な作品です。

McCartney Iはもはやデモテープに近い曲もありますが、その素朴さがまたなんとも言えず味わい深いです。その中に、Maybe I’m amazed やJunkのような名曲があり、とても良い作品だと思います。

McCartney IIもこじんまりとした雰囲気は漂っていますが、テクノポップを取り入れており、新しい音を模索している意欲的な作品とも言えます。coming upやwaterfalls、one of these daysなど良い曲もたくさんです。

 


そして、McCartney III。

よい作品でした。

駄作だとか、これまでのような名曲がないとか、批判する声もありますが、

 


シンプルに心地よいですよ、この作品。

私は好きです。

 


確かに派手さはないかもしれないですが、味わい深い曲も多いです。

78歳だからできるボーカルと、78歳だから書ける曲たちだと思います。

美しいアコースティックバラードの③pretty boy⑧the kiss of Venus 、

ヘヴィなロックの⑤lavatory lil⑦slidin’、

ゆったりとした曲調でどことなく物寂しく幻想的な⑥deep deep feeling

など、多様な佳曲が収録されています。

 


これまでロック史に残る名盤を作ってきたポールだからこそ、そのような作品と比較されることもあるでしょうが、

 


単純に日常に彩りを加えてくれる、いい音楽を届けてくれてありがとう、

と思えます。